
どうも、神戸Tシャツ製作所の辻本と申します。
最近、連続して知り合い3人くらいから『店の名前がそのままだね』と言われました。
今回は、オリジナルプリントTシャツの製作において、この仕事の裏側事情を交えつつ、少しでも安く、そしてイカしたデザインでプリントする方法をお伝えしたいと思います。
テロテロの安いTシャツに小さなプリントで作成して低価格なのは、ある程度うなずけますが、今回は予算が無くてもここまでできます!といった主旨となります。
数ある産業の中で、この仕事がどれほどメジャーなものかは分かりませんが、いざ『オーダーしよう!』という機会が来た時にお役に立てば幸いです。
この記事の目次
こんなプリントが低価格で作れます!
まずはじめに込み入った説明を書くよりも、こんな感じのTシャツが低価格でできますよ!というご紹介です。
なお、プリント方法について詳しくご覧になりたい方は、フルカラーインクジェットプリントについても併せてご覧頂ければ幸いです。
デザインに色をどれだけ使ってもお値段は変わりません!
写真やグラデーションもプリントできます!
グランジ風の細かなかすれ具合も表現できます!
製作の価格について
料金シュミレーション
おすすめのTシャツについては後述していますが、ここでは一番スタンダードなタイプのシャツにプリントした場合の料金をご案内いたします。
A4サイズ(200x300mm)でのプリントの場合
Tシャツ | プリント | 合計 | |
---|---|---|---|
1枚〜 | ¥690 | ¥1,000 | ¥1,690 |
3枚〜 | ¥690 | ¥800 | ¥1,490 |
10枚〜 | ¥690 | ¥500 | ¥1,190 |
30枚〜 | ¥690 | ¥400 | ¥1,090 |
50枚〜 | ¥690 | ¥300 | ¥990 |
A3サイズ(300x400mm)でのプリントの場合
Tシャツ | プリント | 合計 | |
---|---|---|---|
1枚〜 | ¥690 | ¥1,200 | ¥1,890 |
3枚〜 | ¥690 | ¥900 | ¥1,590 |
10枚〜 | ¥690 | ¥600 | ¥1,290 |
30枚〜 | ¥690 | ¥500 | ¥1,190 |
50枚〜 | ¥690 | ¥400 | ¥1,090 |
※価格は税込みです。
※その他に送料やデザイン作成費などがかかる場合があります。
料金についての詳細は、料金についてをご確認ください。
プリントTシャツを安く作成するたった1つのポイント
今回の記事の結論を申し上げると、ポイントはずばり↓です。
プリント加工しやすい素材を選ぶ
それぞれ詳しいご説明に入る前に、まず当店サイドのお話をさせてください。
プリントTシャツを安く作るために、原価となるコストは当然無視できません。
しかし、当店は僕個人で運営するお店ですので、時として原価コスト以上に時間がネックとなることがあります。
Tシャツは紙への印刷とは勝手が違うため、プリントやデザインによっては1枚あたりにかかる時間が、倍ほど変わってくることもあります。
少しマニー的なニオイのするお話となりますが、1日で1枚しか作れないか、10枚作れるかでは、頂戴しなければならない手間賃に随分と差が出てきますよね。
つまり、仕入れ価格は固定されているので動かすことはできませんが、時間をうまく短縮することができれば、最終的にお安く商品を提供することができます。
ちょっと乱暴な言い方をすれば、「当店にとって都合の良いお客様」には、その分商品を安く提供することができます。
ただ、
「都合の良いお客様」になってお互いにwinwinなら結果オーライではありませんか?
それでは、今回のテーマについて詳細を個々に解説させて頂きます。
プリント加工しやすい素材を選ぶ
ひとくちにTシャツといっても繊維製品ですので、素材によって特性が大きく異なります。
そして、それぞれの素材に対するプリント方法は、実に様々な種類があります。
例えば、一般的な綿/ドライ素材のポリエステル/レーヨンを含む素材などでは、プリントに際しての条件が違ってきます。
加えて、同じ素材でも生地の色によってプリント方法や工程が異なることもあります。
つまり、当店にとってプリントしやすい素材を使っていただければ、低価格で対応できるようになります。
白色・綿素材のTシャツ
当店が使用しているプリント方法で、最も相性が良く加工しやすい素材は、
■素材 → 綿生地
■色 → 白色
のTシャツです。
『あれ? さっき白以外のTシャツも無かった?』といったご意見もあるかもしれませんが、詳細は後ほど記載しています。
が、ここでは基本となる条件として、この「白無地・綿素材のTシャツ」が最も安く綺麗に仕上げることができる素材とお考えいただければ嬉しいです。
※今回の記事ではポリエステル素材は対象外です。ご了承ください。
フルカラーでプリントできます!
さて、お安く対応できるポイントについて書いてきましたが、次はプリントの特性についてご説明します。
最新機器のインクジェットプリンターを使用しています
当店でのTシャツのプリントには、基本的にインクジェットプリントという方法を用いています。
原理としては、ご家庭で一般的に使用されるプリンターと同じく、印刷の対象物に直接インクを吹きかけてプリントを行う方法です。
プリンターは、メーカーの現行最新モデルを使用しています。
デザインに何色使ってもお値段は変わりません
Tシャツプリントでのあるあるネタとして、プリント色数を増やすと価格が上がるといった問題がありますが、インクジェットではこの点についての制約がありません。
写真やグラデーションなどの表現も可能です。
理由は製版が必要ないことですが、この点は下記に記載します。
製版代が不要です
これまでにオリジナルTシャツを作った経験のある方なら、1度は目にしたことがあると思う製版代についてです。
この製版が必要なプリント方法は「シルクスクリーン」と呼ばれる、いわばステンシルの要領で1色ずつインクを乗せていくやり方です。
プリントにはあらかじめ、デザインの版を作成(製版)する必要があります。
ただ、一般的な製版代の相場は5,000円〜ほど必要で、これはプリント1ヶ所1色あたりの値段となります。
つまり、プリント位置や使う色が増えるにつれて、製版代のコストが増えていくため、小ロット生産にはあまり適していません。
また、キッズサイズから大人サイズまでと、幅広いサイズにプリントする際には、同じデザインでも大きさを変えて版を作成する必要があるなど、フレックスに対応することが難しいプリント方法でもあります。
これに対して、インクジェットプリントはデータをそのまま出力するため、製版代が必要ありません。
少量で製作したい場合でも、余計なコストがかかる心配がありません。
有色Tシャツへのプリントに関して
さきほど「生地が白色の綿素材」がプリントに適していると書きました。
これは、生地が白だと、色をもっとも正確に発色させることができることが理由です。
それでは例えば、赤色の生地だとどうなるか?
分かりやすい例としては、赤い紙に色鉛筆で絵を描いた場合をお考えください。
恐らく絵は地の色の影響を受けて、本来の色を表現することができないと思います。
この問題を解決するためには、赤色の紙にあらかじめ修正液などを塗り、地を白にリセットしてから、その上に絵を描く必要があります。
Tシャツの場合もこれと同じです。
その修正液に該当するものが、インクジェットプリントでは『白インク』です。
白インクについて
何だか特別感を提起した白インクですが、こちらは他のカラーインクと特性が少し異なります。
他のカラーインクは、生地に直接プリントができますが、白インクはそのままでは生地に定着しないため、はじめに前処理剤と呼ばれる液体を吹き付ける必要があります。
「処理剤」と聞くとなんだか特殊な薬品のようなイメージがありますが、いわば洗濯糊のようなもので、当然ですがこちらも害のあるものではありません。
乳幼児が触れても問題のない、メーカー純正品を使用しています。
ただ、この白インク・前処理剤の有無によって、作業工程は下記のような差が出てきます。
【白インクあり】
Tシャツセット → 前処理剤 → 白インク印刷 → カラーインク印刷
【白インクなし】
Tシャツセット → カラーインク印刷
つまり双方では、時間もインクのコストも想像以上に変わってきます。
これが、白色の生地が加工しやすいため、お安く対応できるとご案内した理由です。
白インクを使わずに有色Tシャツへプリントする
有色Tシャツと白インクの関係性についてご説明しましたが、一部例外もあります。
冒頭でご紹介したサンプル写真の中では、淡い青や淡い黄色のシャツが該当します。
色味の淡いTシャツへのプリント
色の淡い生地であれば、多少の色味の変化が気にならないデザインの場合、ご検討の余地は十分にあると思うのでご紹介いたします。
ただ、先のご説明の通り白インクを引いていないため、デザインは生地の色の影響を受けるので、元の色味とは異なる仕上がりになります。
この場合のポイントとしては、なるべくデザインの色味に近い(同系色の)生地を選ぶことです。
反対に青に対して黄色や、赤に対して緑などは、補色(真逆の色)となるので、黒っぽい色になります。
ご注文の際には、『おおよそこれくらいのイメージになりますよ』という完成イメージ画像をご用意いたしますので、ご興味があればお問い合わせください。
ただ、デザインや色の組み合わせによって、結果を正確に申し上げることができませんので、特に量産される際などは一度サンプルを作成される方が良いです。
黒インクでのプリント
黒は色の中で一番強い色ですので、白インクを引く必要はありません。
このため、有色Tシャツへも直接プリントが可能です。
また、黒以外にも濃紺・焦げ茶・濃いグレーなど、黒に近い色味でしたら、そこまで影響は受けません。
その他の詳細について
この記事であまり専門的なことを書き過ぎるのもどうかと思いますので(十分書いていますね。。)、さらに詳しい内容をご確認されたい場合は、下記のページも併せてご覧戴ければ幸いです。
おすすめのTシャツ
さてさて、最後は使用するTシャツについてです。
ただ、こちらも候補を挙げていくと枚挙にいとまがありませんので、『このアイテムは鉄板!』というTシャツのみご紹介します。
価格がリーズナブル、品質も良い安定の定番Tシャツ
特にご指定が無く価格と品質を求めるなら、このTシャツが間違いなくベストであると断言できます。
これまでに最も多く利用して戴き、ご満足を得られているTシャツです。
『生地がテロテロで、首元が伸びませんか?』といったお問い合わせを戴くことがありますが、このTシャツであれば、そのご心配には及びません。
また、キッズ・レディースサイズの展開もあります。
余談ですが、リーズナブルって単に値段が安いといった意味でなく、「理にかなった」が本意のようです。
首元ゆったりのレディースサイズがあるTシャツ
素材の品質やサイズ等は、上記の [5001] 5.6オンス Tシャツ とほぼ同じで遜色ありません。
メーカー違いの同一商品ラインといったところです。
ただ、こちらのTシャツにもレディースサイズの展開がありますが、首元がゆったり開いたタイプとなるので、シルエット面でのご要望がある女性におすすめです。
より高品質の上位モデル
メーカーさんが最も推奨されている最高傑作の1枚です。
僕自身も、数あるTシャツの中で一番好きな品番です。
生地の厚み、そして肌触りは文句なしの水準です。
長く大切に着たい方におすすめです!
お問い合わせについて
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます。
ご質問やご相談などのお問い合わせは、下記ページよりお待ちしています。
なお、各アイテムページからも直接お問い合わせいただけます。
枚数などの詳細がある程度お決まりの場合は、そちらからの方が具体的なお返事ができます。
・[5001] 5.6オンス Tシャツ
・[00085] 5.6オンス Tシャツ
・[5942] 6.2オンス Tシャツ
それでは、今年も夏がやってきましたが、イケてるTシャツを着てイケてるメンズ・ガールズになりましょう。
サマー!